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生活習慣病と遺伝的要因1

講話の様子
  2001年3月26日に印刷団地協同組合・仙台産業医科診療所主催で印刷団地各社の衛生管理者、当診療所が産業医を引き受けております企業の担当者を対象に「生活習慣病と遺伝的要因」という演題で衛生講話が実施されました。
  最近色々と話題になっております遺伝のお話をさせていただきます。
  今後、テレビ・新聞等で遺伝に関する情報を目にする機会も増えてくると思われますので、その知識の一助としていただければ幸いです。
 
  それまで、「成人病」と言われていた一連の疾患が、平成6年以降「生活習慣病」と改められました。それまでの「成人病」対策というのは、検診を行って、病気の早期発見、早期治療を目指した二次予防でした。しかし、従来「成人病」と云われてきた疾患は必ずしも成人になってから起こるものではなくて、子供の時からの生活習慣の積み重ねと、その人の持っている遺伝的素因、さらに環境の要因が重なり合って起こってくるものだと分かってきたのです。
 
  『ヒトゲノム計画』により、人間の遺伝子の解明作業が行われていましたが、昨年で人間の全遺伝子の解読が終了しました。
図1:染色体の構造
  ここで、「ヒトゲノム」について簡単に説明します。「ヒトゲノム」とは、ひとりの人間が生まれ、生きていくために不可欠な情報のフルセットのことで、親から子へ受け継がれていきます。DNAとは、遺伝情報を記録している、細長いひも状の化学物質(核酸)で、アデニン・シトシン・グアニン・チミンの塩基からなり、その数は約30億個にもなります。DNAは細胞分裂をするときに増殖し、太くなってきます。これが染色体で染色体は、22対の常染色体と、1対の性染色体との23対からなり、これをヒトゲノムといいます。約20年かかってこの23対が解読されたわけです。     
図2:生活習慣病発症のモデル
   さて、病気(生活習慣病)の発生原因は、まず環境要因として(1)生活習慣(飲酒・煙草)と(2)外的刺激(ストレス・太陽光など)があります。遺伝要因としては(3)主要効果遺伝子と小効果遺伝子があります。この三つの要因がからみあい病気を発症するわけです。
図2:生活習慣病発症のモデル
   ここに生活習慣の寄与原因のデータがあります(図3)。
  心筋梗塞発症の原因は、生活習慣(ライフスタイル)が60%、環境因子が15%、遺伝が25%くらいです。
  ガンは、生活習慣が40%、環境因子が33%遺伝的素因が少し高く27%、脳卒中は生活習慣が50%、環境因子が27%、遺伝因子が23%くらいになっています。
  肝硬変は生活習慣の要因がかなり大きく70%、環境因子が10%、遺伝因子が20%。お酒以外にウイルスの原因が大きいようで遺伝的素因は少ないようです。
  糖尿病は、かなり遺伝的素因がはっきりしていて生活習慣が30%、環境因子が5%、遺伝的因子が65%になります。
仙台産業医科診療所
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