本文へ移動

境界型とは

●境界型とは

“境界型”は、正常ではないが、糖尿病とも診断できない状態をいいます。
しかし、境界型だからといって安心はできません。境界型の人の多くは、動脈硬化が始まっているのです。境界型と診断されたら生活習慣の改善を図り、動脈硬化を予防することが大切です。

●軽視できない境界型

境界型であっても動脈硬化は進行している
 
正常でもなく、糖尿病とも診断できない、正常型と糖尿病型の境界域に属するものを「境界型」といいます。
これまで、境界型は、「糖尿病予備軍」などといわれ、“糖尿病ほどの危険はないものの、そのまま放置していると糖尿病になるおそれがある状態”とみなされてきました。そのため、検査で境界型と診断されても、あまり深刻に考えず、対策も講じないというケースが大半でした。しかし、最近になって、境界型の多数の人々が、糖尿病と同様に、危険な状態であることがわかってきました。
 
糖尿病は、放置しておくと、動脈硬化症や網膜症、腎臓障害、神経障害などのさまざまな合併症を引き起こします。
境界型である状態では、網膜症や腎臓障害、神経障害などが発症してくる危険性は、ほとんどありませんが、太い血管に起こる動脈硬化症が想像以上に進行しているケースが多いのです。動脈硬化症は、進行すると、心筋梗塞や脳梗塞など生命にかかわる重い病気を引き起こします。このような点からも、境界型であっても、糖尿病と同様に大きな問題があるといえるでしょう。

●動脈硬化を起こしやすいタイプ

境界型で、なおかつ肥満や高血圧、高脂血症をもっている人は動脈硬化を起こしやすいタイプです。
動脈硬化症が進行しやすいのは、インスリンが遅れて過剰に分泌されるためです。
このタイプの人には、「肥満、血圧が高い、中性脂肪などの血中脂質の値が高い」といった傾向が見られます。個々の検査値を見るかぎりは、それほど大きな問題がない場合でも、これらが重なると、動脈硬化症が急速に進行すると考えられています。
アメリカでは、「糖尿病」「高血圧」「高脂血症」「肥満」の四つの因子が重なり合うと、動脈硬化が進行しやすいことから、これらの四つの因子を「死の四重奏」と呼んでいます。

●境界型といわれたら

境界型と診断されたら、まず食事と運動に注意することが大切です。その第一歩として、肥満気味の人は、食事面では、現在食べている食事の量を全体的に10~20%減らしてください。
「甘いものをまったく食べない」とか、「野菜ばかり食べる」というような特別なことをする必要はありません。ご飯やパン、おかずなど、今まで食べていた食事の量を全体的に減らして、「1日にとる総エネルギー量を減らすこと」が先決です。
運動面では、「毎日歩くこと」です。目標は1日1万歩ですが、とりあえずは8,000歩を目標に歩くようにします。
普通は、日常生活の中で、だいたい3,000~5,000歩程度しか歩いていません。ですから、暮らしの中で、できるだけ歩く習慣をつけなければ、8,000歩は達成できません。
仙台産業医科診療所
〒984-0011
宮城県仙台市若林区六丁の目西町1-43
TEL.022-288-7701
FAX.022-353-5750

 
TOPへ戻る