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ガンについて

平成15年2月24日(月)、仙台印刷団地協同組合 2階 研修室にて講師 塩谷 鐘子先生による「頭痛について」と題して衛生講和が開かれました。
 
 頭痛は大変一般的な症状ですが、一口に頭痛といっても、その原因は非常に多岐にわたります。そこで、頭痛の原因・分類、対処法の違いについてわかりやすく解説していきたいと思います。まず、頭痛の原因には以下に挙げたようなものがあります。
 
  1. 血管による-頭部血管の拡張による周囲の神経刺激
    例) 偏頭痛・群発頭痛・ニ日酔い
  2. 筋肉による-頭頚部の過度の緊張、凝りによる
    例) 緊張性頭痛
  3. 頭蓋内疾患
    例) 脳腫瘍、くも膜下出血、髄膜炎
  4. 頚、眼耳鼻口の疾患
    例) 頚性頭痛、急性緑内障、急性副鼻腔炎、顎関節症
  5. 精神疾患 例)うつ病など
  6. 神経痛 例)後頭神経痛)
 
 主なものについてもう少し詳しく説明しますと、血管性のもの(血管性頭痛)の場合は拍動痛といわれる脈と一致したズキズキとした痛みが特徴的です。また筋肉への過度のストレスが原因である筋緊張型頭痛では、脈拍とは無関係に、締め付けられるような痛みや圧迫感を認めます。それぞれの頭痛の痛みの範囲は図1のとおりです。
 頭蓋内疾患による場合は、その病態によって頭痛の現れ方や随伴症状(頭痛以外に同時に現れる症状)は様々です。(後述) 診断・治療に急を要する疾患、手術が必要になる疾患が原因となっている可能性があり、侮る事はできません。
 その他、頭痛が主な症状として現れても、別のところに原因がある場合もあります。(4~5)
図1
図2
 頭痛の頻度を見てみると、図2のように緊張型頭痛が最も多く、片頭痛がそれに続いています。また、症候性頭痛では血管障害に伴うものが最多となっています。
 年齢別では、図2のように片頭痛が若年~中年に多いのに対し、緊張型頭痛は中年以降に最も多くなっているのが分かります。また、何れにおいても女性に多く認められています。
 ところで、脳そのものは痛みを感じることのない臓器です。痛みを感受するのは、頭の中の大きな動静脈や一部の硬膜・神経などです。脳に腫瘍ができて血管や神経が引っ張られたり、出血が刺激となって痛みが生じるのです。
 
  つぎに頭痛の分類です。以下のようにおおまかに分類されます。
 
  1. 機能性頭痛:偏頭痛、群発頭痛、緊張性頭痛など
  2. 症候性頭痛(二次性頭痛):頭痛の原因となる器質的疾患を伴ったもの。
    の2種類に分かれます。
 
1.機能性頭痛としては
A.片頭痛:血管性頭痛の一種です。
☆発症様式 比較的急な、拍動性の激しい頭痛。
☆持続時間 4~72時間程度。周1回~月1、2回程度。
☆特徴 前兆((閃輝暗転、可逆性の半身のしびれや麻痺)を伴うことがある。前兆は頭痛に先行し、1時間以内に治まる。悪心、嘔吐などの随伴症状を伴う。女性に多い(エストロゲンホルモン)。遺伝性が強い。(半数に遺伝性を認める)
☆誘因 ストレス、ホルモンの変化、光.音・臭いなど、特定の食べ物(ワインやチョコレートなど)、薬物(降圧剤、ピル、ホルモン剤)。
 
B.緊張型頭痛:頭痛の約半数を占めています。
☆発症様式 発作性のものはなく、いつの間にか始まりだらだらと続く。痛みは軽度から中等度の非拍動性である。
☆持続時間 30分~7日間程度。頻度様々だが、長期化することが多い。
☆特徴 締め付けられるような痛み、被帽感(帽子を被っているような圧迫感)など。
☆誘因 精神的ストレス(心配、不安、抑鬱)、身体的ストレス(筋性ストレス、異常姿勢、頚椎症、咳合異常、眼科・耳鼻科疾患に伴うものなど)、テクノストレス(乱視・遠視)。
 
C.群発頭痛 血管性頭痛の一種です。
☆発症様式 突然の激しい、一側の目がえぐられるような痛み。流涙、目の充血、鼻閉、眼瞼下垂、顔面発汗、縮瞳などを伴う。
☆持続時間 約15分~180分間。
☆頻度 一度頭痛が始まると1~2ケ月の間毎日群発する。群発期は毎年あるいは2~3年に一度の割合で起こる。
☆特徴 20代~30代の男性に多い。夜間に多い。
☆誘因 アルコール、睡眠など。
 
2.症候性頭痛
~外科手術が必要となる場合があるものは以下のものです~
 
☆くも膜下出血 突然の激しい頭痛、意識消失、けいれんなど。9割は脳動脈瘤の破裂による。若年者では脳動静脈奇形が原因
☆脳腫瘍 鈍痛。朝方に多い。吐き気や片麻痺などを認めることあり。高齢者では症状がでにくいことがあります。「(脳萎縮のため頭蓋内容積に余裕があるため)
☆慢性硬膜下血腫 頭部打撲の1~3ケ月に生じる後頭痛、咽吐、ぽけ症状、麻痺など。

~内科的疾患によるものとしては~
☆髄膜炎(ウイルス性、細菌、結核性、真菌性)発熱、頭痛、嘔吐、けいれんなど。
☆高血圧性脳内出血 出血部位により症状は様々。日中活動時に起きやすい。
☆側頭動脈炎 こめかみ周辺の痛み、全身倦怠感、微熱、眼症状など。
☆睡眠時無呼吸症候群 朝方にひどい頭痛。
☆低血圧 頭痛、肩こり、起立時失神、めまいなど。
 
  以上、簡単に特徴だけを挙げましたが、危険な頭痛を見分けるポイントがいくつかあります。
  1. 頭痛もちの人であれば、いつもと違う痛み、経験したことのない痛み方。
  2. 突然起こった頭痛、激しい頭痛、長時間治まらない頭痛。
  3. 早朝または朝方に起きる頭痛。
  4. 麻痺やしびれを伴うもの。
  5. 呆け症状、呂律がまわらないなどの構音障害がある場合。
  6. 視力の低下、ものが二重に見える。
  7. めまい、嘔吐をともなうもの。高熱を伴うものなどです。
    このような場合には医師の診察を受け、必要な検査などを受けた方が良いと思われます。
 
~予防と治療としては(よくあるタイプの頭痛に対して)~
 
片頭痛
緊張からリラックスへの移行時に生じやすい。 例)週末頭痛
休み前の過労、遅い夕食、アルコール過多、休みの日の寝坊などが原因
 
☆食事) 空腹時に起こることが多い。規則的な食事を。また、誘発性のあるチョコレート、ワイン、チーズなどの飲食物をさける。
☆入浴) 入浴により血管が拡張するため、シャワーですませる。
☆薬剤の確認) 降圧剤、ニトログリセリン(狭心症治療薬)、経口避妊薬(ピル)、ホルモン補充療法など、頭痛の原因となる薬物を服用していないか。
☆薬物治療) スマトリプ夕ン、酒石酸エルゴ夕ミン、アスピリンなどの消炎鎮痛剤。
☆予防的薬物治療) 頻回に生じる場合はカルシウム桔抗薬、βアドレナリン遮断薬、抗うつ薬、抗セロトニン薬、抗てんかん薬などの予防的投与が効果的。
 
群発頭痛
禁酒、血管拡張作用のある薬物の使用を避ける、発作が起こりそうになったら窓を開けて深呼吸を、湯船に長くつからない、ストレス、過労、睡眠 不足を避ける
☆発作時) 酸素吸入がもっとも効果的(毎分7リットル)、酒石酸エルゴ夕ミンの服用。
☆予防的薬物治療) 副腎皮質ホルモン(ステロイド)、リチウム。
 
緊張型頭痛
何よりもストレスの軽減とライフス夕イルの見直しが大切。
頚、肩の凝りをほぐす柔軟体操、長時間の同姿勢を避ける、枕の調節、視力矯正などが必要となる。
マッサージ、ホットパックの他、入浴や適度な飲酒は効果的です。
 
~VDT症候群との関連性について~
 
 VDT(Visual display terminals)症候群とは、コンピュー夕ーに向かって長時間作業を行うことで、頭痛、肩こり、眼精疲労などを呈するもので。このようなテクノストレス※に伴う症状が近年増加しています。
 ディスプレーとの距離や部屋の明るさを調整し、涙の蒸発を防ぐよう画面を視線の下方ににセッティングするなどの注意が必要です。また、腕、手首の枕を置いて肩への負担を軽減し、肩こりを予防する様心がけてください。
 
※コンピューター導入による新しい精神不健康状態で、テクノ不安症・テクノ依存症がある。これにより生じる頭痛は緊張性頭痛である。
 
引用文献
間中信也 「頭痛はこわい」 夢親書 1998年
レジデントノート 危険な頭痛を見逃すな! 羊土社 1999年
仙台産業医科診療所
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